バチェロッテ あの子が結婚するなんて!


想像以上にひどい映画で笑ってしまった。

あらすじ。ミツバチ軍団と呼ばれていた主人公たち4人組は学生時代の頃から仲良し。が、その中で一番デブの女の子がイケメン結婚するということになってほか3人は驚き。結婚前日のホームパーティでそれなりに盛り上がるものの、興奮冷めやらぬ3人はその後も酒を飲みながら騒いでいた。

酒を飲んでる最中に「あの子のウエディングドレス持ってきてよw あの子の体型だったら私たち2人は入れるんじゃない?」などと悪ふざけ。そして案の定ドレスを破いてしまう。


そんなわけで、深夜にもかかわらず翌朝の式に間に合わせるためにドレスを直そうとあっちこっち行くという話。



自分たちは独身なのに一番ブスでデブなあの子がなぜ!?という嫉妬と、どうにもならないドレスをひそかに直さなければいけないという焦りのせいでかなりテンポが速い。


個人的に一番面白かったのが代わりのウェディングドレスを見つけたものの、「私が好きなデザインのウェディングドレスを他の人が着てるのを見送るのは絶対イヤ! 地面舐めるほうがマシよ!」「じゃあ舐めなよ」という展開。基本的に全員がテンパりながら行動してるので、グダグダな感じ。


ただ、個人的にやたらと犯罪してるのがあまり気に入らないんですよね。「ケータイなくしたの」「じゃあ盗めばいいじゃん」とサラッと言ったり。


ここ最近自分が見た恋愛コメディでは、なんか平然と犯罪してることが多くて残念なんですよね。個人的に犯罪は命がかかってるとき以外はやめて欲しいなーと。アクション映画なんかだと納得できるので、価値観の違いだと思いますが。


普通のシリアスなラブストーリーにしたら重すぎるテーマですが、コメディにすることでギリギリ笑えるようなデッドボールギリギリの映画でした。

変身

変身

変身


AmazonKindleで無料だったのでとりあえずダウンロードし、数日前にauのケータイがつながりにくくなったんで暇つぶしに読んだら予想以上に面白くてびっくりした。


主人公がある日目覚めたら虫になっていた、という出オチ作品。この導入部分だけ知ってる人は相当多いと思う。というか俺がそうだった。



個人的に予想していた展開が、そこから元の身体を取り戻すために悪戦苦闘する展開かと思ったら全然違って。ずっと家の中に引きこもっているだけだった。ずっと主人公視点で語られるので他の世界が全く見えないのだけれども、家族からは見放された感じで、しかもどんどん家庭の環境が悪化していく展開が読んでてぞわぞわした。



主人公の家庭環境は、年老いた両親二人と妹一人という状況で、主人公が一家の大黒柱みたいな状態。一応両親も働いているけれど、あまり収入が高くないので、家の収入の大部分は主人公の稼ぎで担われていた。妹はまだ高校生で、大学や専門学校に行くか、それとも就職するかって悩む時期。けれども一応持家なので、なんとか暮らすのに不自由はなかった状態。


そんな状況で主人公が虫になってしまう。


するとどうなるかというと、徐々に貯金は無くなり、家庭から高級なものが減っていく。主人公は何かを言おうとするものの、虫になってしまったので聞き取ってもらえない。家族はその絶望的な状況を受け入れられず、主人公に積極的に関わろうとしない。


そんな、家庭が崩壊するまでのジリ貧の状態を虫目線で見ていくのが斬新かつ面白かった。主人公が家庭から疎まれていく状況と、徐々に家庭が崩壊していくまでの流れが上手に織り交ぜられ、段落と句点が少ない文体だったのでとにかく勢いに乗って読まされてしまった。



主人公は元に戻れず家族から疎まれ、低収入でどんどん生活に困っていく一家。はたしてそのオチは如何に。



とワクワクしながら読んだけど、なんだこのオチは! どういうことだよ!!!



とはいえ、この話は全然進まないけれど虫目線で非常にねちっこく詳細に書かれた描写は読んでいて面白かった。出オチ作品とはいえ、有名な作品はやっぱり面白いわ。

宅配コンバット学園

twitterでフォロワーが絶望しながら紹介していたので思わず購入してみた。

宅配コンバット学園 (スーパーダッシュ文庫)

宅配コンバット学園 (スーパーダッシュ文庫)

あらすじ。戦場の女子高生たちに届く宅配便の中身は!? 政府の実験により過去の戦場に送り込まれた女子高生天童春菜とその仲間たち……。死と隣り合わせの絶望の中、唯一の希望は念じた物を届けてくれる宅配便だった!!(Amazonから引用)


ただ、このあらすじって合ってるようで合ってないと言うか。バックトゥザフューチャーを「デロリアンに乗って移動した後にステージでギター演奏をする話」とか言っちゃうぐらい的外れな感じ。

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q

全4部作の劇場版のうち3作目。初日に観ることができたので、適当に感想を書こうかと。別に初日に観る必要なかったんですけど、「早く見ないとネット上でネタばれが多すぎて大変なことに」というのがあるので。

ネタバレなしで書きますが、先入観なしで観たい人は読まないほうがいいかと。

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小説家を見つけたら

小説家を見つけたら [DVD]

小説家を見つけたら [DVD]

原題は『Finding Forrester』なので、「フォレスターを見つけている」といった感じか。これに関しては邦題のつけ方が上手いなと思った。


黒人の主人公フォレスターは本を読むことが多いがバスケットに夢中になっていた。ある日、バスケットをする悪友とともにとあるアパートの開かずの部屋に侵入することに。開かずの部屋には吸血鬼がいるとか、まぁそういう噂が。

案の定人がいたので、驚いて逃げだしたものの、自分が書いた小説が入ったバッグをその部屋に忘れてしまった。ひょんなことからそのバッグが戻ってくるものの、バッグの中に入ってた小説には赤ペンで添削されていた。


ってのが序盤のストーリー。

黒人の少年が主人公の青春サクセス映画って『治安の悪い地域に住んでいた少年が成長』みたいな話が多いんだけど、この作品も例に漏れず。

ただ、この作品では主人公が書いていた小説はあくまでも趣味であって、この後主人公は公立高校から優秀な私立に行くんだけど、それが全く小説と関係ないのがなかなか面白かった。

バスケの能力と学力試験の能力。その二つで私立にスカウトされただけで、小説を書く能力というのが全く関係ないどころか、前述のアパートの事件がなくてもスカウトされているというのが新鮮だった。


けれども、アパート事件の後の交流は確実に主人公の精神面に強く影響を及ぼす。その後、学校での小説コンクールから話がどんどん進んでいくのだけれど、そのあたりから「え!あのオッサンってこういうことだったのか!」と俄然面白くなっていく。

中盤で私立の学校の嫌な先生がいるのだけれど、その先生の嫌なキャラが実にうまい。緩やかに、しかし確実に主人公を追い詰めていく。

わりとのんびりとした青春サクセスストーリーだと思っていただけに、終盤のバスケットの試合からの展開はとてもよかった。

そしてこの作品はそれだけでなく、めでたしめでたしからさらに未来につながる展開になっていたのがまた良かった。てっきり自転車で去るあたりで大団円だと思ってたからなあ。

TSUTAYAで『発掘おすすめ』みたいなシール貼られてただけのことはあるなという面白さ。ほんわかと青春ストーリーを楽しみたい人にオススメ。

夜更かし羊が寝る前に 〜君を探しに行くまでの物語〜

泣けるラブストーリーを探そうと思ってTSUTAYAで見つけた作品。結果として泣ける作品ではなかったものの、個人的には大満足だった。


主人公は作家で、自分の作品の中の女性が現実に見えてしまう病気に悩まされていた。そんなある日、コーヒーショップで作中の女性とそっくりな人を偶然目撃してしまう。何気なく名前を呼んだところ、名前も一致していた。


……という導入。これだけだとただのラブストーリーと一緒なのだけれど、実は主人公は事故で眠りに落ちたままだったというのがこの話の重要部分。つまり全部夢オチだったということ。

けれども、事故で昏睡し続けていたというのは割と序盤であかされる。では夢の中の女性とは何者なのか? いつ目覚めるのか? というところを徐々に進めつつ、主人公と女性の関係が進行しているのがとても良かった。

最初のうちはただのラブストーリーかと思っていただけに、中盤以降の恋愛展開と主人公が目覚めるまでの展開がしっかりと絡んでいて目が離せず、終盤で主人公が目覚めてからラストまでの展開もとてもさわやかで良かった。

現実世界と夢の世界を行き来しつつもちゃんと無理なく見せていたし、中盤以降の恋愛と現実との折り合いをつけつつ目覚めまで進んでいく展開が非常に見事だった。


余談だけど、夢の中でのロケットがあまりにも雑な作りで笑ってしまったのだけれど、夢の中だからこそと納得できた。せめて列車ぐらいにとどめておけば良かったのに。