『シン・ゴジラ』を観てきた感想

twitterのタイムラインでやたらとプッシュされていたので、勢いあまって映画館に観に行ってきました。


基本的な展開としては、ゴジラが登場して暴れまわるという今までのゴジラシリーズと同じような内容です。しかしながら特撮としてゴジラを撮影しつつも、決して子供だましで終わらせず、現実にこういうことが起こったらどう動くかということを丁寧に描いた作品でした。

端的に言うと会議ばっかりしてます。全体の構成として会議:交渉:ゴジラ=6:2:2ぐらいじゃないでしょうか。設営しては会議して、会議中にゴジラが動いてまた会議して、さらに交渉した後に会議して……という展開。しかしそれでも会議のリアルさと緊迫さと会議以外のところでの展開の面白さで飽きずに終盤まで観れました。

会議だけの映画と言えば『十二人の怒れる男』がありますが、既に決まっている状況を丁寧に分析というよりも「刻々と変化する状況にどう対応するか」「タイムリミットが短い状況で適切に判断するには」というのを丁寧かつ現実的に描いているのが非常に良かったです。


また、ゴジラも今までとは違った怖さがあります。自分は初代ゴジラを見たことがなく、VSシリーズの一部とマグロゴジラぐらいしか見たことがないので“今まで”とひとくくりにはできないかもしれませんが。VSシリーズは『巨大な敵に対抗するゴジラ』や『ゴジラと戦うメカゴジラ』という、恐怖よりも巨大戦がメインの展開でした。マグロゴジラはある程度怖さはあったものの、まだ人類に何とかなる程度の怪物でした。

さて今回のゴジラはというと、無敵ともいえるぐらいの凶悪さ。以前の特撮だとビル破壊がメインだったので、ちょっと現実感に欠けていたんですよね(VSシリーズだと、むしろ現実感は低い方が良かったのかもしれませんが)。今作では特撮技術が向上したおかげで逃げ惑う人々だけでなく、ゴジラが歩く際に壊される自動車や船まで描写されていたので、巨大な怪獣が街を破壊するとどうなるかという点において、非常にリアルな恐怖感が描かれていました。

ゴジラシリーズで定番のゴジラVS自衛隊ももちろん登場します。シン・ゴジラは凶悪さを十二分に発揮していたので「さすがゴジラだ!」と思わせるぐらいの強さです。とはいえ、「強いけど別案でなんとかなるよ!」というのが怪獣映画のお約束だと思っていたので、割と安心しながらその後も見ていました。

ところがあまりにも凶悪すぎて、終盤ぐらいになると「これマジでやばくね?どうすんの」と思わされるぐらいの絶望感。それこそがゴジラの強さであるのですが、あそこまで恐怖感を煽りながら丁寧に描いていくとは思いませんでした。


結論としては、『ゴジラという未知の凶悪怪獣に対して日本はどう戦うか』というのを現実的に考えた結果を丁寧に描写し、尚且つエンターテイメントとして仕上げた作品で非常に素晴らしかったです。だいぶネタバレしちゃいましたが、ぜひとも映画館で見てほしい作品。2時間飽きさせない映画というのは久しぶりでした。観て良かった。