ニュースの天才
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 2005/07/08
- メディア: DVD
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スティーブン・グラスが母校の学生に現在の自分の仕事を紹介しているシーンと実際に働いているシーンを交互に映していく構成。スティーブンが働く『ニュー・リパブリック』は大統領の飛行機に置かれているほどの品質の高い雑誌で、彼はその中で斬新な記事で評価を得ていた。
ある日、その雑誌の編集長がマイケルからチャックに交代することになったが、チャックはあまり良い成績ではなかったためコネによる昇格なのではないかと思われていた。一方その頃スティーブンはハッカー集団に関する記事を掲載したが……。
そんな感じのストーリー。
編集長とのいざこざがこの作品のメインストーリーと思いきや、実際には『記事の捏造』がこの作品のメイン。査読者や編集長やのチェックによって記事の品質を担保していたものの、実は大きな穴があったというのがこの映画のキモ。
記事が捏造されるまでの工程、そして捏造と思われる記事の裏取りをしていくまでの過程がハッキリと描かれているのがとても興味深かった。文中の人物名は事実か? イベントがあったビルはどこにあるか? オフィシャルサイトは実在するのか?などを丁寧に検証していくまでの手順が明確で、推理ドラマを見ているような爽快さがあった。
会話能力によって同僚からの支持を集めていたため、終盤に捏造と断定された後に同僚から「彼はこの記事1回だけなのよ! 許してあげて!!」と言わせる展開も面白かった。
実話を題材にしてるためあっさりと解雇されて終了、という終わり方で今一つスカッとしない終わり方だった(完全フィクションならば同僚全員が主人公を睨むようなシーンとかあったかもしれない)が、作品全体としては非常に面白かった。実話という要素を差し引いても、雑誌記事の捏造が如何にして行われ、それが如何にして検証されるかという部分が知れる良い映画だった。