小説家を見つけたら
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
- 発売日: 2009/06/26
- メディア: DVD
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黒人の主人公フォレスターは本を読むことが多いがバスケットに夢中になっていた。ある日、バスケットをする悪友とともにとあるアパートの開かずの部屋に侵入することに。開かずの部屋には吸血鬼がいるとか、まぁそういう噂が。
案の定人がいたので、驚いて逃げだしたものの、自分が書いた小説が入ったバッグをその部屋に忘れてしまった。ひょんなことからそのバッグが戻ってくるものの、バッグの中に入ってた小説には赤ペンで添削されていた。
ってのが序盤のストーリー。
黒人の少年が主人公の青春サクセス映画って『治安の悪い地域に住んでいた少年が成長』みたいな話が多いんだけど、この作品も例に漏れず。
ただ、この作品では主人公が書いていた小説はあくまでも趣味であって、この後主人公は公立高校から優秀な私立に行くんだけど、それが全く小説と関係ないのがなかなか面白かった。
バスケの能力と学力試験の能力。その二つで私立にスカウトされただけで、小説を書く能力というのが全く関係ないどころか、前述のアパートの事件がなくてもスカウトされているというのが新鮮だった。
けれども、アパート事件の後の交流は確実に主人公の精神面に強く影響を及ぼす。その後、学校での小説コンクールから話がどんどん進んでいくのだけれど、そのあたりから「え!あのオッサンってこういうことだったのか!」と俄然面白くなっていく。
中盤で私立の学校の嫌な先生がいるのだけれど、その先生の嫌なキャラが実にうまい。緩やかに、しかし確実に主人公を追い詰めていく。
わりとのんびりとした青春サクセスストーリーだと思っていただけに、終盤のバスケットの試合からの展開はとてもよかった。
そしてこの作品はそれだけでなく、めでたしめでたしからさらに未来につながる展開になっていたのがまた良かった。てっきり自転車で去るあたりで大団円だと思ってたからなあ。
TSUTAYAで『発掘おすすめ』みたいなシール貼られてただけのことはあるなという面白さ。ほんわかと青春ストーリーを楽しみたい人にオススメ。