大停電の夜に

泣けるラブストーリーを探そうとして選んだ映画。個人的には可もなく不可もなくといった内容。


定年退職した夫婦の元にかかってきた電話。それは生き別れになってしまった息子からの電話だった。

一方その頃、ヤンキー風の男性が街中で出会った女性は昔の恋人だったが、すでに結婚し2人目の子供を身ごもっていた。

一方その頃、不倫関係を終わらされた女性がエレベーターで泣いていた。

一方その頃、ガンの手術を目前にしていた少女が自殺しようとしているところを少年は目撃していた。

一方その頃、蝋燭専門店の近くのバーは店を閉店することを決めて最終日の営業をしていた。

一方その頃、夫に急な仕事が入ってしまって前から約束していた食事をキャンセルされた主婦がいた。

そんな中、関東に大停電が発生した。



……というストーリー。要するに停電していたときにこういうドラマチックなことが起きてたんだよ、という群像劇。

個人的に群像劇が苦手で、理由としてはあっちこっちに話が飛ぶからというのがある。今回の話だと5組のグループがいるのだけれど、全部がバラバラに動いているわけだ。

群像劇であっても、最終的に全グループが一同にそろって行動するのであれば問題ないのだけれど、全部がバラバラだとそれぞれが薄味になってしまうのでイマイチ集中できない。

たとえるなら、海鮮丼ならいいけれど、刺身盛り合わせは苦手といった感じ。


というわけでこの作品は自分には合わなかった。完全にバラバラというわけではなく、複数グループが後で合流したりするのだけれど、全部が合流するわけではなかったり、それぞれが相互作用を持って進展するわけでもなかった(妊婦グループと老夫婦グループは若干そういう作用があったけれども)のが個人的に今一つな原因。

設定はおもしろかったのだけれど、グループが多すぎて、一つのグループの話が中途半端になってしまい、全体的なオチも微妙だったため、どうにも不完全燃焼な作品だった。